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デジタルの世界に国境はない。
海外企業と共にイノベーションを巻き起こす

INTERVIEW / TAKESHI ITO

デジタライゼーション領域

伊藤健

2008年入社

東京大学大学院 博士課程修了

大学院で天体物理学を修めた後、野村證券に入社。2009年8月に米国Instinetに出向。野村グループで用いられる株式執行アルゴリズムの研究開発、および統計的データ分析に基づいた顧客への執行コンサルティングに従事する。2018年3月より野村證券金融工学研究センター内のAIソリューション・リサーチ・グループリーダー。

    • 民間企業でありながら、
      多彩な研究人材が集まる環境に惹かれた

      ― 修士・博士課程では、どのような研究をしていましたか。

      宇宙物理学の一分野である、高エネルギー天体物理学が専門でした。X線やガンマ線など、エネルギーの高い光によって物理現象を観測し、分析するというものです。テーマとしては、ブラックホールの周りにある降着円盤に関わる物理現象を研究していました。ブラックホールの周りにある物質が徐々に中心に向かって落ちて行く際に、重力エネルギーが熱エネルギーに変換され、非常に高温になってX線を出すという現象があります。そうした現象の研究を行っていました。

      ― その頃、将来の進路はどのように考えていましたか。

      大学院に進むとき「研究者になるかどうか」ということは頭にありましたが、まずは研究室に入ってから考えよう、と思っていました。その後、次第に物理学科や数学科の先輩が投資銀行に就職することが増え始め、少しずつ金融業界への興味が芽生えていきました。もともと、物理学の考え方である「数学やデータ分析を用いて物事を理解し何かに活かす」ことがとても好きなので、それがアカデミックの道であれば論文を書くこと、金融の道であればビジネスに活かすことだ、というように捉えてみました。すると、金融業界は自分が好んでいる思考パターンを活かせる場所であることに気付き、自分に合った進路かもしれないと思うようになりました。

      ― 金融系の企業のなかで、なぜ野村證券を選んだのでしょうか。

      まず、長期的なキャリアを築けることを重視していたので、地域レベルのオペレーションに留まらず、会社全体の意思決定を担い会社全体に働きかけができる「本社」で働くことを希望しました。複数の企業を見るなかで、野村證券にある「金融工学研究センター」にとても魅力を感じました。もともと野村総合研究所内にあり、研究開発に長期的に投資するという文化が醸成されており、将来を見据えたイノベーティブな取り組みができる環境が整っていると思いました。ビジネスの現場でありながらも、さまざまな研究人材が集まる環境は野村證券の強みと思い、入社しました。実際に入社してみると、先進的な研究はもちろん、部署間の交流が活発なのが印象的でした。交流が活発だと新しいアイディアも生まれやすく、協力も得られやすい。何事にもチャレンジしやすい環境だと実感しています。

    • 入社後1年で海外勤務。
      科学は言語の壁を超えられる

      ― つい先日までニューヨークにいたとのことですが、どのくらいの期間、海外勤務だったのでしょうか。

      入社して1年4ヶ月後から海外勤務になりました。野村ホールディングス傘下の米国法人、インスティネットという、電子取引のパイオニアとも言われる企業で、主にアルゴリズム・トレーディング・システムの研究開発に携わっていました。初めはサンフランシスコの研究開発部署に6年半、その後はニューヨーク本社のセールス・トレーディング・チームに2年勤務し、今年の3月に、およそ9年ぶりに東京勤務に戻ったところです。

      ― アルゴリズム・トレーディングとは、どのようなものですか。

      株価や出来高などに応じて、株式売買注文のタイミングや数量を自動で決め注文を繰り返すという、人間が行なっていた取引を自動化するシステムです。いわゆるデジタライゼーションですね。私はデータサイエンティストとして、取引に良い影響をもたらすためにはどのようなアルゴリズムがあると良いのか、という研究開発を行なっていました。

      ― 初めての海外勤務では、どのような環境で働いていましたか。

      2007年に野村ホールディングス傘下になったインスティネットは、もともと米国法人だったこともあり、今なお日系企業の雰囲気はありません。サンフランシスコ・オフィスでは日本人は私一人で、イギリスやインド、中国などさまざまなバックグラウンドを持つ社員と一緒に働きました。日本とはまったく違うカルチャーなので、当初はコミュニケーションに苦労することもあり、仕事がちゃんとできているか不安になったこともありました。ところがある時、上司から「最初から良い仕事をしてくれて助かっている」と評価されていることを知り、とても嬉しかったです。科学は言語の壁を超えられるのだと実感し、博士課程を含めて、自分が積み重ねてきた歩みに自信を持つことができました。やがてグローバルな交流も楽しめるようになり、多様な価値観も知ることができ、海外勤務は自分にとって本当に良い経験になりました。

    • 専門家の「勘」から
      特徴量を導き出すために

      ― 証券取引のデジタライゼーションにあたり、どのように工夫しましたか。

      株式取引の専門家であるトレーダーのドメイン・ナレッジ(専門知識)を、いかに定量的なモデルに落とし込むか、ということをテーマにしていました。取引にあたり、どのような情報に基づいてどのように判断を行うのか、優れたトレーダーにヒアリングすることがとても重要です。その判断が実際に良い結果に結びつくのか、ということを検証する中で、彼らの「勘」が研究のとっかかりとなり、行き詰まった時のヒントとしても役立ちました。また、ドメイン・ナレッジをモデル化するにあたり、膨大な量の取引データからトレーダーが見ている「特徴量」をどのように計算すると良いのか、という問題もありました。取引所の出す値段の違いなど、トレーダーが見ているさまざまなデータから多数の特徴量を抽出する必要があり、膨大なデータを扱うための高度なプログラミング技術も必要になりました。最終的に良いアルゴリズムができたときはとても達成感がありました。

      ― 今後、デジタライゼーションにおいて、どのような取り組みを行なっていきたいですか。

      オープンイノベーションで、ビッグデータ分析の新たな形を作り出したいと考えています。というのも現在、東京都がフィンテックのスタートアップ企業を海外から誘致する「フィンテックビジネスキャンプ東京」というプロジェクトを実施しており、私もそれに携わっています。そのプロジェクトの中で、あるスタートアップ企業と一緒に、彼らが持つ非常にユニークなビッグデータを用いて、共同プロダクトを作る取り組みを行っています。私たちは彼らの持つビッグデータに関するノウハウを、彼らは東京の金融マーケットのノウハウを学ぶことができ、互いに大きなメリットがあります。
      社内だけで閉じるのではなく、社外を交えて、それも海外の企業と一緒にイノベーションを起こしていけるという取り組みは非常にやりがいがあり、楽しみにしています。
      野村證券は業界最大手ということもあり、公的機関や行政のプロジェクトに参画させていただく機会にも恵まれています。社会に大きな影響を与えられるという意味でも、非常にやりがいのある環境が整っているので、これからはオープンイノベーションを通じて、証券業界にデジタライゼーションの更なる革命を起こしていきたいです。

デジタライゼーション領域のご紹介

  • 情報の根源を辿るスキルこそが困難を打開する

    AI開発領域 工藤秀明

  • 自然科学のアプローチで解き明かされる金融マーケットの神秘を求めて

    データサイエンス領域 饗場行洋

  • デジタルの世界に国境はない。海外企業と共にイノベーションを巻き起こす

    デジタライゼーション領域 伊藤健

  • サイエンティストの夢を乗せて、最先端技術が金融の地平を切り拓く

    新規事業開発領域 石川和哉

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