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自然科学のアプローチで解き明かされる
金融マーケットの神秘を求めて

INTERVIEW / YUKIHIRO AIBA

データサイエンス領域

饗場行洋

2006年入社

東京大学大学院 博士課程修了

金融工学研究センター配属。株式や投信のリスクモデルの開発、クオンツ分析システムの開発および運用、スマートベータの研究開発や証券市場インデックスの管理運営など、一貫してクオンツ関連業務に携わる。2017年8月よりクオンツ・ソリューション・リサーチ部AI・ソリューション・リサーチ・グループにて、先端技術や非伝統的データを用いた研究開発を担当。

    • 現場に入らなければ
      知り得ない課題がある

      ― 博士課程当時は、どのように過ごしていましたか。

      経済現象を物理学的な観点から解析し、新たな法則性を見つけるという、経済物理学の研究をしていました。物理学者が経済現象を研究するということは研究分野として当時まだ新しく、その専門家の講演を聞いて、強く興味を惹かれたのがきっかけです。私は主に為替の動きを数理モデルとして表現する研究をしていました。国際学会に出る機会も多かったので、タイミングを合わせて休暇をとり、バックパッカーのように旅行もしていました。ヨーロッパやアジアなど、さまざまな国に行きました。

      ― その頃、どのような進路を考えていましたか。

      もともとは、大学や研究機関などのアカデミックな道に行こうと考えていました。専攻分野の研究が活発な大学がアメリカにあったので、そこでポスドクとして働くことなどを検討していました。しかし、金融について研究をするうちに、金融実務の現場と大きな温度差を感じ、それを埋めるために、アカデミックな道よりも「現場に入りたい」という思いを抱くようになりました。

      ― 研究と現場との温度差とはどのようなものだったのでしょうか。

      研究でトレーダーの方と話をする機会があり、互いの問題意識が異なることに気付きました。たとえばデータ分析によって発見できた法則があっても、トレーダーからするとそれは既に実務では知られている場合も多く、経験的に分かっていることを法則化するだけでは、現場で役に立たないのです。「そういう法則があるのは分かったし、肌で感じている。で、日々の業務にどう役立つの?」と指摘いただいたことで、現場に身を置かなければトレーダーの悩みは理解できないのだと感じ、金融機関に就職したいと思うようになりました。

      ― 数ある企業の中で、野村證券を選んだ理由を教えてください。

      複数の金融機関を検討していましたが、あるとき、所属していた研究室の助手の方の紹介で、野村證券の社員と話をする機会があり、そのときに心が決まりました。私が感じていた現場との温度差にも共感していただき、ニッチな研究分野もよく知っている人が複数いて、すごいところだ、こんな人たちと仕事ができたら楽しいだろう、と思い、志望しました。結果的に他社の選考は受けていません。証券業に関わる全ての分野のトップレベルの専門家が社内各所にいるという環境は非常に恵まれていると、入社して改めて実感しました。

    • オルタナティブデータと
      データサイエンスが切り拓く
      金融の新たな地平

      ― 現在の仕事内容について教えてください。

      データサイエンスに関するさまざまな業務を行っています。これまでは投資データを定量的に分析するクオンツの仕事が中心でしたが、昨年からAI・ソリューション・リサーチ・グループに配属になり、現在はAIを活用したデータサイエンスのプロジェクトを中心に取り組んでいます。最近では、経済産業省とのプロジェクト「IoTを活用した新ビジネス創出推進事業(ビッグデータを活用した新指標開発事業)」にて「SNS×AI 景況感指数」と「SNS×AI 鉱工業生産予測指数」という新しい経済指標を開発しました。

      ― 開発した2つの指数はどのようなものでしょうか。

      「SNS×AI 景況感指数」は、AIでTwitterから収集した景況感に関するツイートを自動的にスコア化する指数です。「SNS×AI 鉱工業生産予測指数」はWeb上のツイートやブログから仕事や景気に関するテキストをAIが自動で抽出し、機械学習を用いて日本の景気を予測するというものです。ここで使ったデータは、金融業界ではオルタナティブデータと呼ばれるもので、ビッグデータ時代の今、まさに活用していくべきデータです。その意味でも、新しい経済指標を開発することは、とてもやりがいのあるプロジェクトでした。

      ― オルタナティブデータとはどのようなものでしょうか。

      たとえばTwitterのテキストやWeb上にあるニューステキスト、そのほか衛星写真なども含まれます。これまで、金融業界で扱うデータは主に株価や売上などの数値データでした。それ以外の、これまで使われていなかったデータのことを「非伝統的」という意味でオルタナティブデータと呼んでいます。利用可能なデータが増えているため、データサイエンスの機運がますます高まっていることを感じています。

    • 自分の仕事が誰かに喜ばれるなんて、
      想像していなかった

      ― 仕事する中で、やりがいを感じる瞬間はどのようなときですか。

      自分の仕事をお客様に喜んでもらえたときは、やはり嬉しいなと思います。データサイエンスもAIも、自分自身の知的好奇心で取り組み始めた分野ですが、そうした成果を喜んでくれる人がいる、ということは入社前にはまったく想像していませんでした。お客様がいるのはビジネスならではなので、もしアカデミックな研究の道に進んでいたら、あまり経験できなかったことかもしれません。

      ― 研究とビジネスの違いは何だと思いますか。

      基礎研究もビジネスも、仮説を立て、検証して、結果を出す、という仮説検証のサイクルは同じです。基礎研究とビジネスの違いはお客様がいるかどうか、つまり具体的なニーズがあるかどうかだと考えています。勉強とは誰かがすでに取り組んだ成果を学ぶこと、研究とは世界でまだ誰もやっていないことに対して、ほんの少しでも踏み入ること。ビジネスの世界にも、まだ誰もやっていないことがたくさんあります。そういう意味で捉えると、研究とビジネスは似ています。研究が好きな方はビジネスも楽しめるのではないでしょうか。また、我々の所属するのは金融工学「研究」センターなので、当然ながら、研究も重要な仕事です。

      ― これからデータサイエンスでどのようなことに取り組みたいですか。

      興味の対象はずっと変わらないので、これからもAIやデータサイエンスなど、いろいろな観点から金融マーケットの分析をし続けていきたいと考えています。よく「人工と自然」という分け方をされることがありますが、人間も自然の一部ですから、人工的なマーケットの解明に自然科学のアプローチが有効であってもまったく不思議ではない。これからも探究心をもって、マーケットのあるべき姿や新たな形を追求し続けていきたいです。

データサイエンス領域のご紹介

  • 情報の根源を辿るスキルこそが困難を打開する

    AI開発領域 工藤秀明

  • 自然科学のアプローチで解き明かされる金融マーケットの神秘を求めて

    データサイエンス領域 饗場行洋

  • デジタルの世界に国境はない。海外企業と共にイノベーションを巻き起こす

    デジタライゼーション領域 伊藤健

  • サイエンティストの夢を乗せて、最先端技術が金融の地平を切り拓く

    新規事業開発領域 石川和哉

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